Japanese
English
症例報告
結節性紅斑と瘢痕浸潤を伴った皮下型サルコイドーシスの1例
A Case of Sarcoidosis with Erythema Nodosum and Infiltration of Scars
村田 恵美
1
,
林 宗伸
1
,
新田 悠紀子
1
Emi MURATA
1
,
Takanobu HAYASHI
1
,
Yukiko NITTA
1
1愛知医科大学皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Aichi Medical University
キーワード:
結節性紅斑
,
瘢痕浸潤
,
サルコイドーシス
Keyword:
結節性紅斑
,
瘢痕浸潤
,
サルコイドーシス
pp.249-254
発行日 1989年3月1日
Published Date 1989/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204061
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52歳,女性.初診3週間前より左上腕に大豆大から拇指頭大の圧痛のある皮下結節が出現した.さらに初診の4〜5日前より両下肢に有痛性で爪甲大の紅斑を伴う皮下硬結が出現した.また初診の頃より両膝部の擦過傷瘢痕に隆起浸潤傾向がみられるようになった.検査では,BHL (+),ツ反の陰転化,血清ACE値の亢進があり,CRP・ASO・ASK等の炎症反応はみられなかった,組織像では,上腕は真皮深層から皮下脂肪織にかけてほとんど壊死を伴わない類上皮細胞肉芽腫がみられ,鍍銀染色で好銀線維が肉芽腫をとりまいている像が得られた.下肢は真皮深層および皮下脂肪織の中隔結合織に小円形細胞浸潤がみられ,septal panniculitisの像が得られた.膝部は偏光顕微鏡にて重屈折性を示した硝子様結晶状異物を含んだ壊死を伴わない類上皮細胞肉芽腫の像が得られた.日本では,サルコイドーシスのEN合併例はきわめて稀であり,文献的考察を加えて報告した.
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