Japanese
English
特集 悪性上皮系腫瘍
脂漏性角化症の辺縁に生じたBowen病の1例
Bowen disease adjacent to seborrheic keratosis
小泉 滋
1
,
外川 八英
1
,
中野 倫代
1
,
池田 純一郎
2
,
松江 弘之
1
Shigeru KOIZUMI
1
,
Yaei TOGAWA
1
,
Michiyo NAKANO
1
,
Jun-ichiro IKEDA
2
,
Hiroyuki MATSUE
1
1千葉大学大学院医学研究院,皮膚科学(主任:松江弘之教授)
2同,診断病理学
キーワード:
肥厚型脂漏性角化症
,
Bowen病
,
p16
,
HPV感染
Keyword:
肥厚型脂漏性角化症
,
Bowen病
,
p16
,
HPV感染
pp.461-465
発行日 2022年4月1日
Published Date 2022/4/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000003187
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75歳,女性。15年前に左側胸部に褐色斑を自覚し,4カ月前に褐色斑の辺縁に紅斑が生じ受診した。左側胸部に褐色斑とその辺縁に連続性に角化性花弁状紅斑がみられ,両者より皮膚生検を行った。各々肥厚型脂漏性角化症,Bowen病と診断し一塊にして切除した。切除標本においてHE染色では両者の境界は不明瞭だった。免疫染色Ki67,p53,p16はBowen病では陽性,脂漏性角化症では陰性,境界部においては陽性細胞数の漸次的変化がみられた。病理組織学的な移行像から,脂漏性角化症の辺縁よりBowen病が生じた可能性を考えた。脂漏性角化症は通常悪性化することはないとされるが,臨床像が変化した場合には精査が必要である。
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