Japanese
English
症例報告
脂漏性角化症病巣内に生じたBowen病の1例
A case of Bowen's disease arising in seborrheic keratosis
高橋 亜由美
1
,
田村 敦志
1
,
大西 一徳
1
,
石川 治
1
,
宮地 良樹
1
Ayumi TAKAHASHI
1
,
Atsushi TAMURA
1
,
Kazunori OHNISHI
1
,
Osamu ISHIKAWA
1
,
Yoshiki MIYACHI
1
1群馬大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Gunma University School of Medicine
キーワード:
脂漏性角化症
,
Bowen病
Keyword:
脂漏性角化症
,
Bowen病
pp.759-761
発行日 1998年8月1日
Published Date 1998/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412902640
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82歳,女性.約10年前より右側頭部に結節が生じ,徐々に増大した.組織学的に結節辺縁部は表皮肥厚型の脂漏性角化症,中央部は表皮全層に異型性の強い細胞増殖を認め,Bowen病と診断した.脂漏性角化症は良性腫瘍であり,悪性化しないとされているが,両者の合併例は少数ながら報告されており,また基底細胞癌,有棘細胞癌などの悪性腫瘍が生じたとする症例も散見される.脂漏性角化症が悪性腫瘍の発生母地となり得るか否かは不明であるが,両者が同一病巣内に共存することが稀にあり,一部の生検標本からの診断には注意が必要であろう.
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