憧鉄雑感
第114回 使い捨て手袋の効用
安部 正敏
1
Masatoshi ABE
1
1医療法人社団 廣仁会 札幌皮膚科クリニック
pp.1599-1599
発行日 2021年9月1日
Published Date 2021/9/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000002862
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子供の頃よく風邪をひいた。何故医学は進歩するのに,風邪が撲滅できないのか不思議であった。小学生の頃将来の夢に“医師”と記載すると,担任教師からその真意を問われた。「風邪を撲滅したい」と述べると「そんなちっぽけな夢ではいけない。医者になるなら,将来先生の命を手術で救ってくれ」などと言われた。この教師は外科医至上主義なのであろう。しかしこの老教師は悪名高きアルコール依存症であり,見るからに色黒で不健康であった。さらに手の振戦が止まらぬほか,夜な夜な酔っ払って保護者宅に電話をかけくだを巻く厄介者であった。ということは,医師となってこの老教師を救うためには,肝臓が悪かろうから外科医になる前に内科医となり,その原因はアルコール依存であるから内科医になる前に精神科医とならねばならず,僅かに色黒という理由から皮膚科医なんぞになるべきではなかった。
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