Japanese
English
特集 抗酸菌感染症
頸部リンパ節結核の治療後に皮膚腺病が生じた1例
Scrofuloderma appearing after the treatment of cervical lymph node tuberculosis
岸 龍馬
1
,
木村 有太子
1
,
金子 高英
1
,
吉川 仁美
2
,
佐々木 信一
2
,
髙森 建二
1
Ryoma KISHI
1
,
Utako KIMURA
1
,
Takahide KANEKO
1
,
Hitomi YOSHIKAWA
2
,
Shinichi SASAKI
2
,
Kenji TAKAMORI
1
1順天堂大学医学部附属浦安病院,皮膚科(主任:髙森建二名誉教授)
2同,呼吸器内科(主任:佐々木信一教授)
キーワード:
頸部リンパ節結核
,
皮膚腺病
,
死菌
,
paradoxical response
,
初期悪化
Keyword:
頸部リンパ節結核
,
皮膚腺病
,
死菌
,
paradoxical response
,
初期悪化
pp.1035-1039
発行日 2021年6月1日
Published Date 2021/6/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000002677
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50歳,男性。妻に肺結核の治療歴あり。1年前に右鎖骨上窩のリンパ節が腫大し,Tスポット®.TB陽性で頸部リンパ節結核と診断された。抗結核薬による治療を6カ月間行い経過観察中だったが,治療終了2カ月後に,同部位に鶏卵大の波動を触れる熱感のない紅色腫瘤が出現し,当科を受診した。穿刺液の抗酸菌塗抹検査陽性,結核菌PCR検査陽性より皮膚腺病と診断し,抗結核薬4剤による治療を再開し,9カ月で瘢痕を残して治癒した。経過中に結核菌培養が陰性で死菌であることが判明した。頸部リンパ節結核の治療後に皮膚腺病が生じた機序として,死菌に対する局所の一過性の免疫反応,すなわちparadoxical responseを考えた。
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