発症から診断までに1年を要した小児型Linear IgA Bullous Dermatosisの1例

Linear IgA bullous dermatosis of childhood taking one year from the onset to the diagnosis

7歳，女児。躯幹・四肢に瘙痒を伴う紅斑，丘疹，痂皮が出現した。膿痂疹性湿疹を疑い，ステロイド外用や内服で治療するも難治性で，1年後に緊満性水疱が出現した。病理組織学的に好中球浸潤を伴う表皮下水疱を呈し，蛍光抗体直接法で基底膜にIgAの線状沈着を認め，1M食塩水剝離皮膚を用いた蛍光抗体間接法で，基底膜表皮側にIgAが陽性であった。小児型linear IgA bullous dermatosis lamina lucida typeと診断した。ジアミノジフェニルスルホン内服で皮疹は消退した。難治性で，瘙痒を伴う蕁麻疹様紅斑を診た際には自己免疫性水疱症を考え，病理組織学的検査，蛍光抗体法などの検査を行う必要がある。