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小児難治性てんかんに対して処方された臭化カリウムによって生じた結節性臭素疹の1例
山内 輝夫
1
,
高橋 奈々子
1
,
國廣 佳奈
1
,
永田 茂樹
1
Teruo YAMAUCHI
1
,
Nanako TAKAHASHI
1
,
Kana KUNIHIRO
1
,
Shigeki NAGATA
1
1昭和大学江東豊洲病院,皮膚科(主任:永田茂樹教授)
pp.1381-1382
発行日 2020年9月1日
Published Date 2020/9/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000002155
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現病歴 生後5カ月より難治性てんかんを発症し,メチルマロン酸血症と診断された。難治性てんかんに対して臭化カリウム内服を開始した。8歳時より左頰部に紅斑と膿疱が集簇した皮疹が出現し,伝染性膿痂疹を考え,抗菌薬内服と外用およびステロイド外用で治療するも出没を繰り返していた。初診1カ月前に臭化カリウムを増量し,初診1週間前より左下腿に紅色結節が出現したため,当科を紹介受診した。初診時は左下腿にドーム状に隆起する1.5cm大の暗紅色結節を認めた。表面は陥凹し黄色壊死が付着するびらんが混在しており,辺縁が堤防状隆起し,紅暈がみられた。伝染性膿痂疹と考え,複数の抗菌薬の治療を行ったが症状が悪化増大した。初診48日後には右下腿,左頰部にも暗紅色結節が生じ,右下腿の結節より皮膚生検術を施行した。
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