特集 付属器疾患 その疑問にお答えします! — ニキビから巻き爪まで Q&A50 —
第Ⅲ章 汗腺
Q38 無汗症の診断と治療について教えてください。
中里 良彦
1
Yoshihiko NAKAZATO
1
1埼玉医科大学,脳神経内科
キーワード:
無汗症
,
Minor法
,
Fabry病
,
特発性後天性全身性無汗症
Keyword:
無汗症
,
Minor法
,
Fabry病
,
特発性後天性全身性無汗症
pp.900-906
発行日 2020年5月30日
Published Date 2020/5/30
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000002006
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無汗の範囲が全身に及ぶと,暑熱環境下や運動負荷で容易にうつ熱になります(全身性無汗症)。全身性無汗症の診療では,幼小児期はFabry病,青年期は特発性後天性全身性無汗症(AIGA)を念頭に鑑別を行います。Fabry病は手掌・足底を含めて全身性無汗で四肢末端痛を伴います。α-ガラクトシダーゼA酵素活性の測定,遺伝子検査により診断が確定されれば酵素補充療法を考慮します。一方,AIGAでは手掌・足底は発汗が残存し,体幹部に疼痛・コリン性蕁麻疹を伴うことがあります。発症早期,軽症であればステロイドパルス治療が著効します。
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