Japanese
English
特集 悪性上皮系腫瘍
Cetuximab併用放射線療法が有効であった有棘細胞癌の1例
Squamous Cell Carcinoma Treated with Cetuximab and Radiotherapy
渡辺 千秋
1
,
吉見 公佑
1
,
清原 龍士
2
,
福地 麗雅
1
,
小池 雄太
1
,
富村 沙織
1
,
宇谷 厚志
1
,
鍬塚 大
1
,
室田 浩之
1
Chiaki WATANABE
1
,
Kosuke YOSHIMI
1
,
Tatsushi KIYOHARA
2
,
Reika FUKUCHI
1
,
Yuta KOIKE
1
,
Saori TOMIMURA
1
,
Atsushi UTANI
1
,
Yutaka KUWATSUKA
1
,
Hiroyuki MUROTA
1
1長崎大学病院,皮膚科・アレルギー科(主任:室田浩之教授)
2長崎原爆病院,皮膚科
キーワード:
有棘細胞癌
,
多発皮膚転移
,
cetuximab併用放射線療法
Keyword:
有棘細胞癌
,
多発皮膚転移
,
cetuximab併用放射線療法
pp.411-414
発行日 2020年4月1日
Published Date 2020/4/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000001879
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83歳,男性。基礎疾患に慢性腎臓病あり。当科初診の6カ月前に前医で左頰部の2.0×1.5cm大の有棘細胞癌(SCC)を切除された。2カ月前より左顔面の計6箇所に次々と皮下結節が出現した。生検から多発皮膚転移と診断され,当科を紹介受診した。CTでは多臓器への転移やリンパ節転移は指摘されず,pT2N0M1 Stage Ⅳと診断した。増大時にQOLに関わる2箇所を姑息的に切除後,cetuximab(Cmab)併用放射線療法を開始した。腫瘍は徐々に縮小し2カ月後には触知しなくなった。Cmabを継続し42カ月の現在も再発や転移はない。有害事象は,爪囲炎,痤瘡,口内炎,貧血を認めたが,いずれもGrade 2であった。Cmab併用放射線療法は,高齢者や腎機能障害のある高リスクSCC患者への有用な選択肢の1つと考える。
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