憧鉄雑感
第94回 故障せる最新医療機器
安部 正敏
1
Masatoshi ABE
1
1医療法人社団廣仁会札幌皮膚科クリニック,褥瘡・創傷治癒研究所
pp.117-117
発行日 2020年1月1日
Published Date 2020/1/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000001773
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長年愛用していた美容関連機器が故障してしまった。とりあえず応急処置でその場を凌いでいるが,いつ何時動かなくなるか判らぬ。どうなることかと思っていると,何処からともなくだしぬけに営業マンが現れ,あれよあれよという間に最新機種のデモ機が届いた。なんでもこの新型は様々な機能を搭載しており,営業マンの言によればモードを変え,波長を変えれば,これ一台であらゆる皮膚トラブルに対応するという。ほぼすべてのシミは瞬く間に消えてしまう勢いであり,だったら何故あなたの頬の巨大な老人性色素班は残っているの? と言いたいところであるが,とにかく売る気満々である。旧機種を修理できないか? と聞くが,修理は不可能ではないものの却って高くつく! などという。そこらの家電量販店の店員の如き台詞であるが,“3割,4割は当たり前!” との値引きをせぬ毅然とした態度はやはり医療機器メーカーである。
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