憧鉄雑感
第86回 触診の重要性
安部 正敏
1
Masatoshi ABE
1
1医療法人社団廣仁会札幌皮膚科クリニック,褥瘡・創傷治癒研究所
pp.689-689
発行日 2019年5月1日
Published Date 2019/5/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000001361
- 有料閲覧
- 文献概要
“弾性軟” や “板状硬” なる表現は,皮膚科学における触診の重要性を端的に表すものであろう。当然,他科においても同様であるが,皮膚は直接触れることができるが故 “下床との可動性良好” など専門性の高い診断学が皮膚科専門医の武器である。皮膚科学を学ぶうえで,現症記載は基本となるものであるが,医学生には結構難しいようである。大学在職時代,病棟実習中のある学生が教授に患者プレゼンテーションをした際,かなり専門的な現症を読み上げた。教授は「いい現症記載を聞くと自ずと皮疹が目に浮かびます」と褒め,その学生は有頂天となった。ところがあろうことかその現症は,筆者の初診時の記載を丸写ししたシロモノであり盗作もいいところである。
Copyright © 2019, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.