憧鉄雑感
第83回 帯状疱疹を正しく診断するために
安部 正敏
1
Masatoshi ABE
1
1医療法人社団廣仁会札幌皮膚科クリニック,褥瘡・創傷治癒研究所
pp.279-279
発行日 2019年2月1日
Published Date 2019/2/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000001227
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医療技術の発達により,診療スタイルが変化するのは当たり前のことである。近年,帯状疱疹迅速診断キットが保険適用となった。皮膚科医からすれば,斯様なシロモノの出現は他科医師へ塩を送るようなものであり,そもそも診断は発疹学を熟知していれば十分と考える向きもある。たとえ非ヘルリッツ型接合部型表皮水疱症やブラジル天疱瘡は正しく診断できぬ筆者であっても,苟も皮膚科医の末席を汚す以上帯状疱疹は人並みに診断できると考えていた。事実,過去皮膚科学の神様とも思えるご高名な先生が,新聞に帯状疱疹の名医として筆者の名前を挙げて下さり,当人が一番驚いたものである。無論,これは先生の大温情であることは火を見るよりも明らかであるが,この記事が家宝であるのは言うまでもない。本来大学時代にこの記事を持って外来をウロウロし,後輩に向かって「帯状疱疹の名医といえば誰かね?」などとのたまう予定であったが,大学を辞めてしまっては左様なこともできぬ。
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