Japanese
English
症例報告
カリジノゲナーゼによる線状扁平苔癬型薬疹の1例
A case of linear lichenoid drug eruption due to kallidinogenase
山川 千尋
1
,
小林 憲
1
,
二宮 淳也
1
,
石崎 純子
1
,
藤林 真理子
2
,
田中 勝
1
Chihiro YAMAKAWA
1
,
Ken KOBAYASHI
1
,
Junya NINOMIYA
1
,
Sumiko ISHIZAKI
1
,
Mariko FUJIBAYASHI
2
,
Masaru TANAKA
1
1東京女子医科大学東医療センター皮膚科
2東京女子医科大学東医療センター病院病理科
1Department of Dermatology, Tokyo Woman's Medical University Medical Center East, Tokyo, Japan
2Department of Pathology, Tokyo Woman's Medical University Medical Center East, Tokyo, Japan
キーワード:
線状扁平苔癬型薬疹
,
カリジノゲナーゼ
,
Blaschko線
Keyword:
線状扁平苔癬型薬疹
,
カリジノゲナーゼ
,
Blaschko線
pp.853-857
発行日 2013年10月1日
Published Date 2013/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103784
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要約 60歳,男性.既往歴に2型糖尿病と糖尿病性網膜症があり,カリジノゲナーゼ(カルナクリン®)を1年前より内服していた.体幹,下肢の線状の皮疹を主訴に受診した.皮疹は右側腹部・右下肢に線状,帯状に融合して分布する暗褐色斑でありBlaschko線に沿っていた.ダーモスコピー所見でWickham線条を認めた.病理組織像は典型的な扁平苔癬の所見で,好酸球の浸潤を伴っていた.同剤内服中止後,速やかに皮疹は色素沈着を残し消退した.病理組織像と臨床経過よりカリジノゲナーゼによる線状扁平苔癬型薬疹と診断した.カリジノゲナーゼは古くから使用される薬剤だが,近年糖尿病性網膜症に有効で眼科領域での使用頻度が上昇している.長期内服による扁平苔癬型薬疹の存在を認識すべきである.
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