症例
腋窩部皮下に索状硬結として自覚された顆粒細胞腫の1例
沼尻 宏子
1
,
増井 友里
1
,
三枝 良輔
1
,
中村 洸樹
1
,
柏山 薫
1
,
宮川 卓也
1
,
山田 大資
1
,
宮垣 朝光
1
,
菅谷 誠
1
,
佐藤 伸一
1
1東京大学医学部,皮膚科(主任:佐藤伸一教授)
キーワード:
顆粒細胞腫
,
腋窩部
,
索状硬結
Keyword:
顆粒細胞腫
,
腋窩部
,
索状硬結
pp.1319-1322
発行日 2017年7月1日
Published Date 2017/7/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000000131
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66歳,女性。1カ月前に,右腋窩皮下に20×10mm大の無痛性索状硬結を自覚した。Mondor病を考え経過観察したが改善せず,皮膚生検を行った。病理組織学的所見では,真皮深層から脂肪組織にかけて好酸性で細顆粒状の豊富な胞体を有する細胞が増殖し,胞巣を形成していた。免疫組織染色では,S100・NSE・CD68が陽性,chromogranin Aは陰性だった。顆粒細胞腫と診断し全摘出術を行い,再発なく経過している。過去10年間,皮下に索状硬結として自覚された症例は本邦で報告されていない。顆粒細胞腫はさまざまな臨床所見を呈するため,初診時の診断が困難だが,皮下の索状硬結を診察する際は鑑別のひとつに考慮すべきである。
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