特集 リンフォーマ・白血病
8年間の部分寛解後に再度腫瘤を生じた菌状息肉症の1例
重野 和彦
1
,
吉村 順子
1
,
今門 純久
1
,
菅谷 誠
2
1日本赤十字社医療センター,皮膚科(主任:今門純久部長)
2東京大学医学部附属病院,皮膚科
キーワード:
菌状息肉症
,
大細胞転化
,
電子線照射
,
リンパ腫様丘疹症
Keyword:
菌状息肉症
,
大細胞転化
,
電子線照射
,
リンパ腫様丘疹症
pp.1209-1212
発行日 2017年7月1日
Published Date 2017/7/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000000106
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79 歳,男性。1998 年腹部・四肢の浸潤性紅斑を主訴に当科を受診し,皮膚生検で菌状息肉症と診断され,PUVA 療法,INF-γ,電子線照射を施行。2008 年には褐色局面を残すのみとなった。しばらくは病勢が落ち着いていたが,2016年に左腹部と左大腿の褐色局面上に紅褐色丘疹および紅褐色腫瘤が再度出現した。皮膚生検では大型な異型リンパ球が浸潤していた。T 細胞受容体β鎖Cβ1再構成のモノクローナルバンドは検出されなかったが,大細胞転化をおこした菌状息肉症と診断した。腫瘤は外科的切除し,エトレチナート内服,電子線照射により皮疹は消退した。大細胞転化をきたしていても予後良好のケースがあり,症例に応じて治療法を選択するべきである。
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