Japanese
English
原著
Oral Florid Papillomatosisの1例
ORAL FLORID PAPILLOMATOSIS
相模 成一郎
1
Seiichiro SAGAMI
1
1大津日赤病院皮膚科
1Department of Dermatology, Ohtsu Red Cross Hospital
pp.687,713-716
発行日 1972年8月1日
Published Date 1972/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412201024
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有棘細胞の増殖を伴う乳頭腫(squamous cellpapilloma)が口腔粘膜や喉頭粘膜に多発した場合をoral, laryngeal florid paillomatosis (以下,FPと略記する)と呼ばれてきた1).FPの臨床的特徴は多発した乳頭腫が融合することと剔出後よく再発することであり,その発症原因としてウィルス説やホルモン説があげられている.しかしこれらの誘因についての実証はない.FPは癌前駆症であるとの報告2)3)もあるが,本症が初めて記載1)されて以来一般に良性腫瘍であるとの報告が多い4)〜6).ことに,電顕による検索ではFPと有棘細胞癌との間には形態的相異が明らかにされており,臨床的にも転移病巣をもつている症例の記載はない.
著者はFPに該当する症例を経験したのでここに記録し,ブレオマイシンによる治療成績を付記して些かFPに対して私見を述べたい.
Multiple papillomas on the oral and buccal mucosa without any subjective symptom for 4 years in a 66-year-old farmer's wife was reported. It was treated with Bleomycin.
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