私の経験
ステロイドパルス療法と免疫吸着療法により視機能の回復した若年発症AQP4抗体陽性視神経炎
吉田 愛奈
1
,
木ノ内 玲子
1,2
,
長岡 泰司
1
1旭川医科大学眼科学講座
2旭川医科大学眼科 地域医療創生講座
キーワード:
AQP4抗体陽性視神経炎
,
免疫吸着療法
,
若年
,
AQP4 antibody-positive optic neuritis
,
immunoadsorption plasmapheresis
,
juvenile onset
Keyword:
AQP4抗体陽性視神経炎
,
免疫吸着療法
,
若年
,
AQP4 antibody-positive optic neuritis
,
immunoadsorption plasmapheresis
,
juvenile onset
pp.559-565
発行日 2026年6月5日
Published Date 2026/6/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000004702
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アクアポリン4(aquaporin-4:AQP4)抗体陽性視神経炎は,視力予後が不良であり,ステロイド治療への抵抗例や再発を繰り返す症例が多い。今回,比較的まれな若年発症のAQP4抗体陽性視神経炎に対して,ステロイドパルス療法と免疫吸着療法(immunoadsorption plasmapheresis:IAPP)を行い,視力と視野の回復が得られた1例を経験したので報告する。症例は15歳の女性。急激な右眼の視力低下を主訴に近医を受診し,視神経炎の疑いで当科に紹介となった。初診時所見は右眼の矯正視力が0.01で中心フリッカ値は測定不能,相対的瞳孔求心路障害が陽性であった。動的視野検査ではラケット状暗点を,頭部造影MRIでは視神経管内から視交叉にかけて右視神経に造影効果を認めた。血液検査ではdsDNA抗体とAQP4抗体陽性であったが,全身性エリテマトーデスを示唆する所見はみられず,右AQP4抗体陽性視神経炎の診断となった。ステロイドパルス療法を1クール実施後,矯正視力は0.03にとどまったため,プレドニゾロン内服に加えてIAPPを計5回施行した。矯正視力は0.8に回復し,動的視野検査ではⅠ/1視標で検出される中心暗点のみが残存していた。プレドニゾロンを漸減しながら治療を行い,初診6か月後には矯正視力は1.2に,7か月後に実施した動的視野検査ではほぼ正常に回復していた。AQP4抗体は陽性が持続し,初診8か月後にサトラリズマブを導入し,2年2か月経過時点まで再発なく,プレドニゾロンは1mgまで減量されている。IAPPは若年のAQP4抗体陽性視神経炎に対し有効な治療選択肢であると考えられた。

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