特集 緑内障と全身因子:最新情報
2 血圧管理と原発開放隅角緑内障
清田 直樹
1
,
山口 知暁
1
,
中澤 徹
1
1東北大学大学院医学系研究科 神経感覚器病態学講座 眼科学分野
キーワード:
血圧
,
緑内障
,
眼圧
,
dipping
,
降圧薬
,
血圧変動
Keyword:
血圧
,
緑内障
,
眼圧
,
dipping
,
降圧薬
,
血圧変動
pp.109-114
発行日 2026年2月5日
Published Date 2026/2/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000004543
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緑内障は本邦における視覚障害原因疾患の第1位であり,患者数は年齢の高まりとともに増加している。失明の主要因となる疾患であることから,早期発見と進行抑制の重要性は改めて強調される。エビデンスに基づき,治療可能なリスクとして最も重要なのは眼圧上昇であり,これまで我々は眼圧下降治療に注力して一定の成果を得てきた。しかしながら,本邦の原発開放隅角緑内障の多くは正常眼圧緑内障(normal tension glaucoma:NTG)であることが報告されており1),眼圧のみでは説明できない進行例が存在する。したがって,眼圧以外の因子に目を向け,その関与を理解することは極めて重要である。近年の大規模疫学研究では,高血圧や低血圧が緑内障の発症や進行と関連することが相次いで報告されている。さらに,血圧そのものの水準だけでなく,その変動の大きさや日内リズム,長期的な安定性が緑内障の危険因子となることも示されつつある2)。血圧は眼圧と同様に変動する生理指標であり,その異常は眼灌流圧の変化や血管内皮機能障害を介して視神経乳頭の血流や自己調節能に影響を及ぼす可能性がある。すなわち,血圧と緑内障の関係は単純ではなく,高血圧・低血圧・変動性という多面的な要素が複雑に絡み合っている。本稿では,こうした背景を踏まえ,血圧と緑内障の関係についてこれまでに得られている知見を整理し,最新のエビデンスを概観する。そして,臨床の場でどのように血圧情報を活用し,眼圧管理と併せて緑内障診療に取り入れるべきかを議論したい。

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