特集 抗VEGF治療の進歩:選択と最適化
2 糖尿病黄斑浮腫
高村 佳弘
1
1福井大学医学部眼科学教室
キーワード:
糖尿病黄斑浮腫
,
抗VEGF治療
,
毛細血管瘤
,
第2世代
Keyword:
糖尿病黄斑浮腫
,
抗VEGF治療
,
毛細血管瘤
,
第2世代
pp.11-20
発行日 2025年1月5日
Published Date 2025/1/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000004013
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糖尿病黄斑浮腫(diabetic macular edema:DME)に対しては,2014年に抗vascular endothelial growth factor(VEGF)薬として,ラニビズマブ(ルセンティス),次いでアフリベルセプト(アイリーア)が承認されて以降,実臨床において広く用いられ,その高い有効性が認知されることとなった。それでもなお,効果の乏しい難治性症例が4割と高い割合で存在することも報告され,より有効性の高い抗VEGF薬の開発が期待された1)。また,浮腫改善の効果を維持するには複数回の注射の継続が必要であることから,より長く効果が持続することも求められるようになった。2022年になり,ブロルシズマブ(ベオビュ)とファリシマブ(バビースモ)がDMEに対して承認された。また,抗VEGF薬は非常に高額であるが,後発品であるラニビズマブBSも登場し,患者の経時的負担を軽減させる選択もできるようになった。さらに近年は,アフリベルセプトがこれまで2mgであったのに対し,高容量の8mgの製剤が承認され,注射間隔の延長が期待されている。このように,多くの抗VEGF製剤が選択肢となったが,それぞれの製剤の特性をどのように生かして使い分けをするかについてはまだ確立したコンセンサスが得られていない。
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