特集 眼科外来診療 ―クリニックでの対応と紹介のタイミング―
Ⅵ 眼瞼・眼窩・腫瘍 8 再発を繰り返す成人の慢性涙嚢炎への対処法
佐々木 次壽
1
1佐々木眼科(福井県)/金沢大学眼科学教室
キーワード:
涙嚢炎
,
涙嚢鼻腔吻合術
,
涙管通水検査の再現性維持
Keyword:
涙嚢炎
,
涙嚢鼻腔吻合術
,
涙管通水検査の再現性維持
pp.1378-1382
発行日 2024年11月14日
Published Date 2024/11/14
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000003901
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慢性涙嚢炎(以下,本症とする)は鼻涙管閉塞に伴って生ずる。中高年女性に多く,男性の約3倍発症頻度が高い。症状は流涙・眼脂および眼の不快感である。しばしば慢性結膜炎や眼瞼縁炎と診断される。抗菌薬とステロイドの点眼で症状が緩和されるため長期処方され,耐性菌が生じていることがある。細菌培養陽性の成人鼻涙管閉塞では,MRSA保菌率は約4%との報告がある1)。治療のゴールドスタンダードは涙嚢鼻腔吻合術(dacryocystorhinostomy:DCR)である。本稿では,繰り返す成人の本症および鑑別を要する疾患への対応,クリニックから基幹病院への適切な紹介のタイミングについて解説する。
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