特集 屈折異常の進行評価
2 成人以降の近視進行
五十嵐 多恵
1
1東京医科歯科大学 眼科学分野
キーワード:
強度近視
,
近視進行
,
眼軸長
,
後部ぶどう腫
,
近視性黄斑症
Keyword:
強度近視
,
近視進行
,
眼軸長
,
後部ぶどう腫
,
近視性黄斑症
pp.229-233
発行日 2024年3月5日
Published Date 2024/3/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000003553
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2020年に報告された日本人一般住民を対象とした久山町研究で,2005年から2017年の間に,40代,50代,60代では,若い世代ほど長眼軸長眼(26.5mm以上)の割合が増加していることが明らかとなった(図1A)1)。さらに長眼軸長眼の増加に伴い,びまん性萎縮病変や限局性萎縮病変といった病的近視を定義する近視性黄斑症の有病率が,早いスピードで増加していた(図1B)。これらの病変は,高齢期の病的近視に伴うさまざまな種類の眼底病変の有病率を増加させ,視覚障害のリスクを高める。長寿社会の日本において,成人の長眼軸長患者の増加を食い止めることは,喫緊の課題である。
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