特集 変わりつつある網膜剥離の常識
2 網膜剥離の画像解析の進歩:OCTによる特徴を踏まえて
白木 暢彦
1,2
,
白木 彰彦
1
,
若林 卓
1,3,4
1大阪大学医学部眼科学教室
2Duke University
3Wills Eye Hospital
4若林眼科(石川県)
キーワード:
網膜剥離
,
OCT
,
OCT-A
,
自発蛍光
,
網膜視細胞
Keyword:
網膜剥離
,
OCT
,
OCT-A
,
自発蛍光
,
網膜視細胞
pp.797-806
発行日 2023年9月5日
Published Date 2023/9/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000003243
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裂孔原性網膜剥離(rhegmatogenous retinal detachment:RRD)の治療成績は近年飛躍的に向上した。硝子体手術(pars plana vitrectomy:PPV),強膜内陥術(scleral buckle:SB),pneumatic retinopexy(PnR)などさまざまな手術法があるが,それぞれに適した症例を選択することにより,良好な網膜復位が得られるようになった。しかし,視機能の予後はさまざまであり,解剖学的復位が得られても必ずしも視機能が完全に回復するわけではない。とりわけ黄斑が剥離した症例では術後に視力障害が残存しやすく,約50%の症例で変視や不等像視がみられる1)2)。初回手術で復位を目指すことが何より重要であることに変わりはないが,患者の生活の質を維持するためには,視力や変視,不等像視,コントラスト感度を含む視機能全体の維持・改善を目指すことが重要となる。つまり,網膜の解剖学的復位(reattachment)を達成するだけでなく,機能を兼ね備えた質の高い復位(function/integrity)を追求することが手術の成功を評価するうえで重要な指標となってきている。
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