特集 前眼部解析アップデート
3 波面収差解析
高 静花
1
1大阪大学大学院医学系研究科 視覚先端医学講座
キーワード:
波面収差
,
波面センサー
,
視覚の質(QoV)
Keyword:
波面収差
,
波面センサー
,
視覚の質(QoV)
pp.717-724
発行日 2023年8月5日
Published Date 2023/8/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000003214
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
Quality of Vision(QoV,視覚の質)という言葉は今でこそ眼科でメジャーな言葉となっているが,少なくとも2000年より前の20世紀の時代はそうではなかった。1994年にLiangらが人眼で初めて波面センサーを用いた収差測定を行った1)。現在,眼科臨床現場で用いられている製品型のスマートなものではなく,多数のミラーやレンズがoptical bench上に配置されているカスタムメイドの波面センサーであった。個人的な話で恐縮であるが,筆者自身,米国留学時代はoptical benchでの研究に携わっていたのでその状況はよくわかるが,研究室をかなり占拠する大きなもので,まるで工事現場のようであった。当時,optics engineeringの分野では波面センサーのほかにもさまざまな装置や技術が次々に開発されていた。
Copyright © 2023, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.