特集 眼疾患のガイドラインと診療指針解説とアップデート
7 ウイルス性結膜炎診療ガイドライン
内尾 英一
1
1福岡大学医学部眼科学教室
pp.1271-1275
発行日 2022年12月23日
Published Date 2022/12/23
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000002938
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厚生労働省の感染症サーベイランスの報告数から推計すると,流行性角結膜炎(epidemic keratoconjunctivitis:EKC)(図1)はわが国では年間約70万~130万人が罹患すると考えられている。夏期に発症数のピークがみられる分布を例年繰り返すが,眼科における感染症のなかでは,極めて多数の患者がみられる疾患である。EKCに加えて,咽頭結膜熱(pharyngoconjunctival fever:PCF)(図2),急性出血性結膜炎(acute hemorrhagic conjunctivitis:AHC)の3疾患がいわゆるウイルス性結膜炎として臨床的に取り扱われる。ウイルス性結膜炎は市中感染だけでなく,院内感染の原因としても重要であり,2003年に「ウイルス性結膜炎診療ガイドライン」(ウイルス性結膜炎ガイドライン)1)がまとめられた。その後,2009年に「アデノウイルス院内感染対策ガイドライン」(院内感染ガイドライン)2)も制定された。
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