綜説
進化するドライアイ診療
堀 裕一
1
1東邦大学医療センター大森病院眼科
キーワード:
ドライアイ
,
ガイドライン
,
TFOD
,
TFOT
,
抗炎症治療
,
ocular neuropathic pain
Keyword:
ドライアイ
,
ガイドライン
,
TFOD
,
TFOT
,
抗炎症治療
,
ocular neuropathic pain
pp.351-354
発行日 2022年4月5日
Published Date 2022/4/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000002578
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ドライアイはcommon diseaseであり,日常臨床において多くのドライアイ患者に遭遇する。わが国では,ジクアホソルナトリウムやレバミピドといった涙液安定性を向上させる新しいドライアイ治療点眼薬が上市され既に10年以上の年月が経過した。また,2019年に「ドライアイ診療ガイドライン」が発表され,涙液層の層別診断(tear film oriented diagnosis:TOFD)と層別治療(tear film oriented therapy:TFOT)の重要性が唱えられ,この概念はアジアを中心に世界に広がっている。しかしながら,現在においても既存のドライアイ治療では十分に症状が消失しないドライアイ患者も存在する。今後は新しいドライアイ治療薬がわが国で上市される期待がかかるが,ただし,ドライアイを引き金とした眼における神経因性疼痛(ocular neuropathic pain)については,点眼とは異なった新しい治療のアプローチが必要になってくるかもしれない。本項では,ドライアイ診療における最新の話題を紹介したい。
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