ウェットラボでのトレーニングに役立つ豚眼の解剖の基礎知識
6.強膜:白内障手術と関連して
髙田 幸尚
1
1和歌山県立医科大学眼科学教室
pp.158-160
発行日 2022年2月5日
Published Date 2022/2/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000002498
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歴史的に白内障手術は水晶体嚢内摘出術(intracapsular cataract extraction:ICCE)に始まり,水晶体嚢外摘出術(extracapsular cataract extraction:ECCE)を経て,今日では極小切開での超音波乳化吸引術(phacoemulsification and aspiration:PEA)が一般的となった。その間,眼内レンズも,ポリメチルメチルメタクリレート(PMMA)製の虹彩支持型眼内レンズ(intraocular lens:IOL)に始まり,各種のPMMA-IOLが開発され,ECCEの時代には材質が硬性のPMMAとはいえ,嚢内固定が是とされるに至った。その後,シリコーン,アクリルなどの軟性素材の普及と相まって,小切開PEAでのIOL嚢内固定が標準術式として確立されるに至った。しかし,PEAで処理が困難である高度な水晶体核硬化症例などで予期しない後嚢破損やZinn小帯断裂に遭遇した際に,ECCEの手技を活用することが求められる場合がある。
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