Japanese
English
臨床経験
腰部肥厚性硬膜炎の1例
Lumbar Hypertrophic Pachymeningitis : A case report
合六 孝広
1
,
山下 敏彦
1
,
坂本 直俊
1
,
横串 算敏
1
,
石川 一郎
2
Takahiro Goroku
1
1札幌医科大学整形外科
2市立室蘭総合病院整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Sapporo Medical University
キーワード:
hypertrophic pachymeningitis
,
腰部肥厚性硬膜炎
,
lipoglanuloma
,
脂肪肉芽
,
duraplasty
,
硬膜形成術
Keyword:
hypertrophic pachymeningitis
,
腰部肥厚性硬膜炎
,
lipoglanuloma
,
脂肪肉芽
,
duraplasty
,
硬膜形成術
pp.95-98
発行日 1998年1月25日
Published Date 1998/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408902357
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抄録:腰部に発生した比較的稀な疾患である肥厚性硬膜炎1例を報告した.症例は58歳,男性.腰痛,左下肢痛,歩行困難を主訴とした.脊髄腔造影では,L2椎体下縁よりL5椎体レベルまで硬膜管の著しい狭小化を認めた.MRIでは,L3/L4レベルの硬膜管背側にT1強調画像で低信号,T2強調画像で高信号を呈し,low signal rimを伴う腫瘤を認めた.2ヵ月前の前医入院時にはこれらの所見は認めなかった.L3,4椎弓切除を施行すると硬膜背側に肉芽組織様の腫瘤を認めた.肉芽組織および肥厚した硬膜を切除し,人工硬膜を用いた硬膜形成術を施行した.病理組織所見では,切除硬膜は非特異性炎症細胞浸潤を伴い著しく肥厚していた.術後,症状は著明に改善した.前医において施行された脊髄腔造影や硬膜外ブロックが肥厚性硬膜炎の原因と推測された.
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