特集 霰粒腫とMGD
5 Demodexと霰粒腫・MGDの関係~リッドハイジーンによるケア~
井上 佐智子
1
,
川島 素子
2
1羽根木の森アイクリニック(東京都世田谷区)
2慶應義塾大学医学部眼科学教室/久喜かわしま眼科(久喜市)
キーワード:
Demodex
,
MGD
,
chalazion
,
lidhygiene
Keyword:
Demodex
,
MGD
,
chalazion
,
lidhygiene
pp.953-957
発行日 2021年10月5日
Published Date 2021/10/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000002296
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マイボーム腺は脂質成分(meibum)を分泌する外分泌腺で,涙液の油層形成を行っている。瞼板内に垂直に走る導管と多数の腺房からなり,導管は上25~30本,下15~20本ほどで,眼表面に向かって開口している。この導管を左右,互い違いに取り囲み配列している腺房は,基底膜を有し,内方に脂質を蓄積させる腺房細胞がある。腺房細胞は中性脂肪の顆粒を蓄積しながら分化し,導管にたどり着いた後に全分泌を行い退化する1)。すなわち,マイボーム腺からの分泌物は脂質に加え角質や退化した腺房細胞の崩壊産物が混合した物質であるといえる。
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