特集 霰粒腫とMGD
3 霰粒腫とMGDの疫学
鈴木 智
1
1京都市立病院眼科(京都市)
キーワード:
霰粒腫
,
マイボーム腺機能不全
,
マイボーム腺炎
,
マイボーム腺炎角結膜上皮症
,
ocular rosacea
,
脂腺癌
Keyword:
霰粒腫
,
マイボーム腺機能不全
,
マイボーム腺炎
,
マイボーム腺炎角結膜上皮症
,
ocular rosacea
,
脂腺癌
pp.939-943
発行日 2021年10月5日
Published Date 2021/10/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000002294
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霰粒腫は,基本的には「マイボーム腺分泌脂(meibum)のうっ滞によって生じる瞼板内の慢性炎症性の肉芽腫である」という概念が広く受け入れられている1)。典型的には,眼瞼の無痛性の硬結として触診され(図1),対応するマイボーム腺開口部には閉塞が認められる(図2)。すなわち,霰粒腫が生じる際には,最初にマイボーム腺開口部の閉塞が生じ,続いて,マイボーム腺の腺房およびその周囲の組織でうっ滞した脂質に対する肉芽反応granulomatous reactionが生じる。その浸潤様式には,皮膚側へ浸潤する場合(図1)と結膜側へ浸潤する場合があるが,小児では皮膚が薄いため皮膚側へ浸潤し,自壊する症例もしばしば認められる。
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