特集 ここが知りたい緑内障眼底読影の基本
1 リムノッチングってどのように判断するのですか
山下 高明
1
1鹿児島大学病院眼科
キーワード:
緑内障
,
視神経乳頭
,
リム
,
ノッチング
,
眼底
Keyword:
緑内障
,
視神経乳頭
,
リム
,
ノッチング
,
眼底
pp.299-303
発行日 2021年4月5日
Published Date 2021/4/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000002082
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現時点の緑内障診断において最も優れたスクリーニング検査は光干渉断層計(optical coherence tomography:OCT)の黄斑マップであるが,眼底検査によるスクリーニングも欠かせない。その最も大きな理由は,他の大多数の検査と同様にOCT検査も誤診・見逃しがあることである。たとえば,近視正常眼を緑内障と誤判定(偽陽性)したり,黄斑前膜で網膜が肥厚することで緑内障眼を正常と誤判定(偽陰性)することが珍しくない1)。緑内障を確定診断するにはOCTと眼底検査,症例によっては視野検査もして総合的に判断する必要がある。さらに診察時に短時間でできる眼底検査はスクリーニングとして患者にも受け入れられやすく,眼底検査で緑内障を疑うに十分な根拠を説明したうえで,OCT検査に進むほうが患者の理解は得られやすい。そこで,本稿では眼底検査のなかでも視神経乳頭のリムノッチングの評価について順を追って解説する。緑内障診療ガイドラインではリムの定義は『視神経乳頭外縁と視神経乳頭陥凹外縁の間に存在する部分』であり,リムが局所的に菲薄化することをノッチングと呼ぶ2)。疫学調査で正常眼のリムの厚さには大きな個人差があることがわかっているため3),下記のようなステップを踏んでリムノッチングの評価を行うことをお勧めする。
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