特集 近視コントロール アップデート
2 屋外環境光による介入
栗原 俊英
1
1慶應義塾大学医学部眼科学教室
キーワード:
myopia control
,
outdoor environment
,
violet light
,
EGR-1
Keyword:
myopia control
,
outdoor environment
,
violet light
,
EGR-1
pp.17-22
発行日 2021年1月5日
Published Date 2021/1/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000001993
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
近視人口は過去50年で世界的に急増している1)。近視の定義は研究によりさまざまで有病率もそれに左右されるが,2050年までに世界の近視有病率は50%となり,強度近視有病率も10%となることが推定されている2)。特に東アジアの若年層では既に近視有病率が80~90%となっており3),それらの国々で病的近視に伴う黄斑変性も視覚障害原因の上位を占めるようになってきているため4)~7),近視進行をコントロールする方法の確立が急務である。この近視人口の爆発的な増加の要因はまだわかっていない8)。ひとつの可能性として,近年における人々の屋外活動の減少が考えられる9)~11)。また,疫学的に横断研究12)~17)や縦断研究18)~21)から屋外活動の増加が近視のリスクを減少させることが示唆されている。屋外活動のうち近視進行抑制に関わる因子として,運動量18)22)23)や遠くを見る機会の増加24)~28),調節反応への影響など29)が考えられる。そのなかでも,屋内と屋外の光環境の違いが近視進行に与える影響が注目されている。 本稿では近視進行に対する屋外環境光による介入の可能性について述べる。
Copyright © 2021, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.