特集 近視コントロール アップデート
序論
坪田 一男
1
1慶應義塾大学医学部眼科学教室
pp.1-2
発行日 2021年1月5日
Published Date 2021/1/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000001991
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今月号の特集は“近視コントロール アップデート”である。世界的に近視が増えているのはよく知られている。これまで近視激増の原因について,近見時間が延長したからだ,遠くを見る時間が減ったからだ,勉強中の暗さが原因だ,机の高さが合わないからだなどといわれていたが,羽入田明子先生,鳥居秀成先生(慶應義塾大学)の稿にあるように,台湾のWu先生らにより「近視急増の主たる要因は外遊びが少ないからだ」ということが証明された。台湾では2010年から1日120分の外遊びを推奨することによって裸眼視力低下の傾向に歯止めをかけることに世界で初めて成功したのだ!(表紙のグラフ参照)。この詳細については栗原俊英先生(慶應義塾大学)が“屋外環境光による介入”として解説しているので参照してほしい。まだ仮説ではあるが,屋外環境光に含まれるバイオレットライトが近視の進行抑制に関与している可能性があり,臨床応用が期待されている。
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