原著論文
視覚障害認定基準改正前後の等級とFunctional Vision Score
中川 浩明
1
,
本田 聖奈
1
,
間瀬 智子
1
,
吉田 晃敏
2
,
柳 靖雄
3
,
石子 智士
4
1旭川医科大学病院眼科
2旭川医科大学
3旭川医科大学眼科学講座/Singapore National Eye Center/Singapore Eye Research Institute
4旭川医科大学医工連携総研講座
キーワード:
視覚障害認定基準改正
,
Functional Vision Score(FVS)
,
American Medical Association(AMA)
,
盲群
,
盲群未満
,
視覚障害
Keyword:
視覚障害認定基準改正
,
Functional Vision Score(FVS)
,
American Medical Association(AMA)
,
盲群
,
盲群未満
,
視覚障害
pp.795-800
発行日 2020年8月5日
Published Date 2020/8/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000001770
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目的
2018年7月より視覚障害認定基準の一部が改正され,それ以前に身体障害者手帳を取得した患者では等級が変更になる可能性がある。今回我々は,改正前後の等級と視覚障害の程度との関連について検討した。
対象と方法
2017年1月から2018年6月までに旭川医科大学病院眼科外来でGoldmann視野検査を行った患者246名のうち,改正後の基準で視覚障害に該当する101名(男性40名,女性61名,平均年齢56.8±20.4歳)(中枢性障害27名,網膜色素変性25名,緑内障24名,糖尿病10名,その他15名)を対象とした。Functional Vision Score(以下FVS)を用い視覚障害評価を行い,等級との関連を検討した。さらにAmerican Medical Association(AMA)分類で盲群と盲群未満群に分類を行い,改正前後の基準で評価した等級と比較検討した。
結果
改正前後の基準で評価した等級は,それぞれFVSと強い相関を認めた(r=0.825,P<0.01),(r=0.833,P<0.01)。改正後の基準で視野等級が上がったのは11名(10.8%)であり,合計指数では12名(11.8%)で等級が上がった。盲群未満群では57名中3名(5.2%),盲群では44名中9名(20.4%)で等級が上がり,盲群未満群に比べ盲群のほうで有意に等級が上がった(P<0.05)。
結論
改正前後の視覚障害認定基準による等級は,どちらも視覚障害の程度と相関していた。改正後の基準では特に視覚障害が著しい場合に,より高度な障害等級と認定される患者が多くみられた。
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