原著論文
緑内障患者通院継続支援システム導入による緑内障患者の通院継続率に及ぼす影響
田中 敏博
1,2
,
近藤 美鈴
1
,
淵上 あき
1
,
原田 勇一郎
3
,
米澤 博文
4
,
三原 研一
5
,
飯野 弘之
5,6
,
鈴木 美保
7
,
木村 圭介
8
,
間野 ともえ
9
,
穂積 和弘
10
,
髙木 泰孝
11
,
堀 清貴
11
1岡眼科飯塚クリニック(飯塚市)
2緑内障眼科クリニック福岡(福岡市)
3医療法人 慶明会 すみよし中央眼科
4宮の陣眼科(久留米市)
5医療法人社団 豊仁会 三原医院 みはら眼科(三原市)
6いいの眼科(横浜市)
7トヨタ眼科クリニック(豊田市)
8三郷中央きむら眼科(三郷市)
9医療法人 間野眼科(岡山市)
10医療法人社団さざなみ会 千住町眼科(東京都足立区)
11参天製薬株式会社 日本メディカルアフェアーズグループ
キーワード:
緑内障
,
通院継続率
,
通院継続支援システム
,
Glaucoma
,
cumulative visit persistent rate
,
visit persistence support system
Keyword:
緑内障
,
通院継続率
,
通院継続支援システム
,
Glaucoma
,
cumulative visit persistent rate
,
visit persistence support system
pp.801-807
発行日 2020年8月5日
Published Date 2020/8/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000001771
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目的
緑内障患者通院継続支援システム(以下,本支援システム)導入による緑内障患者の通院継続率への効果を評価すること。
対象と方法
対象は,国内眼科8施設を受診し,新規に緑内障と診断された患者。観察期間を少なくとも180日とし,本支援システム導入の有無による通院継続率の差異を多施設共同後ろ向き研究で評価した。来院予定日から30日後までに来院していない場合を通院脱落と定義し,Kaplan-Mayer法で通院脱落を死亡として累積生存率を算出し,log-rank検定で比較した。また,本支援システム導入時の臨床効果を確認するため,眼圧値の推移も検討した。
結果
本支援システムを導入なしの場合(92例),180日間の累積生存率は54.1%であった。本支援システム導入なしの累積生存率が70.0%以下であった6施設で検討した場合,本支援システム導入なし(74例)の累積生存率は42.1%であったが,本支援システム導入(57例)により累積生存率は94.2%と本支援システム導入なしに比べ有意(P<0.0001)に高値を示した。また,本支援システムを導入し180日以上通院継続している患者(25例)の眼圧値は,初回受診時に比べ3.11mmHg有意(P<0.0001)に低下していた。
結論
緑内障患者通院継続支援システムは,新規に緑内障と診断された患者の通院継続の維持に有効であることが明らかとなった。また,本支援システム導入時の眼圧値は初回受診時に比べ有意に下降しており,緑内障治療への有用性が示唆された。
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