白内障手術のトラブルシューティング
4.強角膜早期穿孔別部位からのアプローチ
住岡 孝吉
1
1和歌山県立医科大学眼科学講座
pp.274-275
発行日 2020年3月5日
Published Date 2020/3/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000001581
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強角膜早期穿孔は意図するより早期に前房内に穿孔をきたしてしまった場合をいうが,自己閉鎖は不十分であるがゆえに,その後の手術操作が困難な原因となり得る。切れ味の悪いナイフを無理に使用した場合やいつも使用しているナイフよりよく切れるナイフを使用した場合に,普段と違った切開創の角度となり結果として角膜内方弁の長さ不足により発生する。また,ナイフ刺入時に患者の顎が上がってきていることに気づかずに続行し,創が予定していたより短くなってしまう場合もある(図1)。そのまま手術を続行すると,ハイドロダイセクション時や超音波水晶体処理時に虹彩脱出の原因となり縮瞳をきたすなど,手術の続行が困難となってしまう場合がある(図2)。
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