特集 感染性眼疾患に対する外科的治療
5 感染性ぶどう膜炎
楠原 仙太郎
1
1神戸大学大学院医学研究科 外科系講座眼科学分野
キーワード:
感染性ぶどう膜炎
,
急性網膜壊死
,
サイトメガロウイルス網膜炎
,
眼トキソカラ症
,
眼トキソプラズマ症
,
結核性ぶどう膜炎
Keyword:
感染性ぶどう膜炎
,
急性網膜壊死
,
サイトメガロウイルス網膜炎
,
眼トキソカラ症
,
眼トキソプラズマ症
,
結核性ぶどう膜炎
pp.821-826
発行日 2019年8月5日
Published Date 2019/8/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000001276
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感染性ぶどう膜炎に対する外科的治療には,(1)病原体の除去,(2)炎症関連物質の除去,(3)眼底視認性の向上,(4)合併症の軽減,(5)病原体の同定,など多くの利点がある。近年の手術機器および手術手技の進化によって低侵襲内眼手術が可能になったことから感染性ぶどう膜炎に対しても積極的な手術加療が可能となったが,その病態と治療目的および治療の注意点が疾患ごとに異なることに留意する必要がある。薬物療法から外科的治療に切り替える条件,術式選択,併用療法,などについては専門家の間で多くの議論がなされてきたがはっきりとした結論は得られていない。「ぶどう膜炎では比較的まれな疾患であるが故にランダム化比較試験のエビデンスが得られにくい」ということがその主な理由であり,残念ながらこの問題は今後も解決できないと思われる。したがって,実臨床においては,既報で示されたデータと目の前の患者の状況を総合的に判断し最適な治療を選択することを心がける必要がある。本稿では,代表的な感染性ぶどう膜炎の外科的治療についての筆者の考えを文献的考察を交えながら紹介する。
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