特集 感染性眼疾患に対する外科的治療
4 転移性眼内炎
馬詰 和比古
1
1東京医科大学臨床医学系眼科学分野
キーワード:
細菌性眼内炎
,
真菌性眼内炎
,
硝子体手術
Keyword:
細菌性眼内炎
,
真菌性眼内炎
,
硝子体手術
pp.815-819
発行日 2019年8月5日
Published Date 2019/8/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000001275
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転移性(内因性)眼内炎は,遠隔臓器感染から血行性に眼内へ移行して発症する視力予後が不良な疾患である。本症の発症頻度は術後眼内炎などの外因性眼内炎と比較しても遥かに低く,眼内炎症例全体の2~8%にすぎない1)。起因菌は細菌またはカンジダを中心とした真菌に分けられ,細菌に関しては発展途上国ではグラム陽性菌の割合が多く,東アジア地域ではグラム陰性菌が主な原因となると報告されている2)3)。細菌性眼内炎は真菌性眼内炎と比較して急速に炎症が眼内へ波及するために迅速な対応が求められる疾患である。基本的な眼局所の治療法としては起因菌に対する抗菌薬や抗真菌薬の硝子体内投与および硝子体手術である。既存の水晶体がある場合は水晶体摘出術を併用し,眼内レンズが既に挿入されている場合は,状況に応じて眼内レンズの摘出を視野に入れる必要がある。また,術後のセフタジジムおよびバンコマイシンの頻回点眼は,細菌性眼内炎の加療としてコンセンサスが得られている治療法4)~6)であり術後から速やかに開始する必要がある。
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