網膜橋渡し研究アップデート
5.細胞治療─網膜の再生・修復─
村上 祐介
1
1九州大学大学院医学研究院眼科学
pp.757-762
発行日 2019年7月5日
Published Date 2019/7/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000001242
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網膜は再生能力に乏しい中枢神経組織の一部であり,光を受容・伝達する神経細胞が失われてしまうと,その機能を回復することは難しい。遺伝的に視細胞や網膜色素上皮(retinal pigment epithelium:RPE)が障害される網膜色素変性(retinitis pigmentosa:RP)やStargardt(スタルガルト)病,さらには抗VEGF薬を用いても進行する加齢黄斑変性(age-related macular degeneration:AMD)の萎縮性病変など,網膜神経細胞の喪失によって失明に至る患者は数多く存在するものの,網膜変性に対する有効な治療法はないのが現状である。細胞を移植することで網膜の機能を回復し得る再生治療は,これらの変性疾患に対する新しい治療法として,大きな期待を集めている。
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