臨床報告
ブルートゥ症候群にみられた眼所見
岡本 紀夫
1
,
坂口 裕和
2
,
川田 雅俊
3
,
西川 憲清
4
1おかもと眼科(吹田市)
2大阪大学医学部眼科学教室
3大阪府済生会吹田病院心臓血管外科(吹田市)
4多根記念眼科病院(大阪市)
キーワード:
ブルートゥ症候群
,
コレステロール塞栓症
,
網膜菲薄化
,
塞栓
,
Hollenhorst plaque
,
大動脈内視鏡
,
blue toe syndrome
,
cholesterol crystal embolism
,
retinal thickness
,
Hollenhorst plaque
,
aortic angioscopy
Keyword:
ブルートゥ症候群
,
コレステロール塞栓症
,
網膜菲薄化
,
塞栓
,
Hollenhorst plaque
,
大動脈内視鏡
,
blue toe syndrome
,
cholesterol crystal embolism
,
retinal thickness
,
Hollenhorst plaque
,
aortic angioscopy
pp.435-441
発行日 2019年4月5日
Published Date 2019/4/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000001136
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要 約
緒言
コレステロール塞栓症で,下肢や足趾に塞栓を生じた場合は,安静時痛を伴って網状皮斑,チアノーゼ,潰瘍を生じブルートゥ症候群と呼ばれることが多い。本邦における眼所見の報告は少ない。今回,右眼底に光輝小斑と,左眼に無症状の視野欠損と網膜菲薄化を認めたブルートゥ症候群の症例を経験したので報告する。
症例
81歳男性。他院でブルートゥ症候群と診断されていた。おかもと眼科を受診した時に眼底検査で異常を認めなかったが,1か月後の再診時に眼底検査で右眼の網膜動脈に光輝小斑を認めた。OCTで左眼の黄斑上耳側に網膜菲薄化があり,その部位に一致してOCT angiographyで網膜深層部の毛細血管密度が低下していた。静的視野検査では菲薄化に一致した感度の低下を認めた。
結論
ブルートゥ症候群の患者では,自覚症状がなくても,OCTや視野検査で異常が認められることがあると考えられた。
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