Ⅱ.所見からみた診断の進め方
8 その他 2)眼 振
三村 治
1
1兵庫医科大学神経眼科治療学講座
pp.1309-1312
発行日 2018年9月30日
Published Date 2018/9/30
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000000868
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眼振(nystagmus)とは,規則的に繰り返す不随意な眼球運動,あるいは眼球のリズミカルな振動様の往復運動と定義される。発症時期から先天(乳児)眼振と後天眼振に分けられ,急速相の有無から振子様眼振(pendular nystagmus)と律動眼振(jerky nystagmus)に分類される。また,一見律動眼振にみえるが時間の経過とともに周期的に眼振の向き(急速相の向かう方向)が逆転する周期性交代眼振(periodic alternating nystagmus:PAN)も意外に多いことがわかってきた1)。さらに点頭(頭振)・眼振・異常頭位を三徴とする新生児点頭痙攣(spasmus nutans)は以前は3歳までに自然寛解するとされていたが,最近ではその多くは眼振に移行するとされている。しかし,まず先天(乳児)性か後天性かを鑑別することが重要である。
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