Japanese
English
特集 第1回国際神経科学会展望
錐体外路系の病理
R.Hassler:振顫麻痺とパルキンソニスムスの種々の型(本態性振顫を含む)の病理解剖について
Über die pathologische Anatomie der Paraiysis agitans und der verschiedenen Formen des Parkinsonismus einschliesslich des essentienen Trernors.
室伏 君士
pp.436-438
発行日 1958年2月28日
Published Date 1958/2/28
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431901608
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
Brissaud(1895)は3例についてパルキンソニスムスの病巣を黒質(Nigra)に帰し,VogtとAlzheimer,Wilsonはこれをパルキンソニスムスに対し,特有でない所見とした。C. und O. Vogt(1920)は線状体(Striatum)と蒼球(Pallidum)について,Status desintegrationisなろ概念のもとに種々の変化を総括した。これらは多少にかかわらず粗大な巣状の変化である。T. H. Lewyは振顫麻痺(Paralysis agitans)の際の蒼球の組織に決定的の変化を発見すべく考え,Foersterはパルキンソン症状群を蒼球症状群(Pallidum-syndrom)と称した。その後やがて,流行性脳炎の結果によろ,はじめてのバルキンソン患者が出現し,Trétiakoffは黒質に決定的な変化を記載した。脳炎後バルキンソニスムスの中枢神経系ではFoix,Luksch,Spatzらは,黒質の細胞消失を一般的にみることを認めた。振顫麻痺では,このような黒質の細胞脱落は欠如していることが知られている。
Vogtは振顫麻痺の中枢神経系で,蒼球,黒質,脳幹神経節をしらべ,黒質のメラニンをもつた神経細胞は完全に並んで保たれているという。
Copyright © 1958, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.