臨床報告
眼窩静脈瘤による大角度下斜視に対する下直筋手術
一色 佳彦
1
,
三村 治
2
1兵庫医科大学眼科学講座
2兵庫医科大学神経眼科治療学講座
キーワード:
眼窩静脈瘤
,
大角度斜視
,
A型ボツリヌス毒素
,
orbital varix
,
large angle strabismus
,
botulinum toxin type A
Keyword:
眼窩静脈瘤
,
大角度斜視
,
A型ボツリヌス毒素
,
orbital varix
,
large angle strabismus
,
botulinum toxin type A
pp.1613-1618
発行日 2017年12月5日
Published Date 2017/12/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000000512
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眼窩静脈瘤は,頭位・体位によって変動する眼球突出や眼球陥凹1),突然あるいは間欠性に出現する視力低下や眼球運動障害2)3)を訴えて眼科医を受診するまれな疾患である。球後に発生することが多く,大きくなれば眼位変化や眼球運動障害をきたす。最近では経静脈的コイル塞栓術4)やブレオマイシン・n-butyl cyanoacrylate glue(NBCA)硬化療法5)6)などで治療されるケースが増加しているが,反復手術でも縮小せず複視や眼球運動障害を残すケースも多い。十分硬化あるいは縮小していない眼窩静脈瘤に対する斜視手術は,術中に静脈瘤を穿刺しないことはもちろん,静脈瘤を間接的に圧迫しないこと,血圧変動を最小限に抑えることなどの配慮が必要で,煩雑で侵襲の大きい眼筋移動術は行い難い。
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