綜説
増殖硝子体網膜症の病態解明と薬物治療の展望
馬詰 和比古
1
1東京医科大学臨床医学系眼科学
キーワード:
増殖硝子体網膜症
,
網膜色素上皮細胞
,
グリア細胞
Keyword:
増殖硝子体網膜症
,
網膜色素上皮細胞
,
グリア細胞
pp.803-808
発行日 2017年8月5日
Published Date 2017/8/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000000094
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増殖硝子体網膜症は多種の細胞が網膜表面,網膜内,硝子体腔内で増殖膜を形成し,増殖膜が収縮することによって網膜に皺襞形成や牽引性網膜剥離が生じ,失明に至る疾患である。裂孔原性網膜剥離の術後に続発する重篤な合併症であるほかに,穿孔性後部眼外傷では約30%が増殖硝子体網膜症に移行すると報告されている1)2)。治療の第一選択は硝子体手術であり,増殖膜を取り除き,網膜を解剖学的に復位させることである。硝子体手術が進捗した現在もなお,増殖硝子体網膜症に発展した症例の最終視力は0.5 未満の割合が90%と極めて不良であり3),視力予後不良な眼疾患である。
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