特集 緑内障の非眼圧的要素
2.睡眠時無呼吸症候群と緑内障
柴 友明
1
1東邦大学医療センター大森病院眼科
キーワード:
睡眠時無呼吸症候群
,
開放隅角緑内障
,
正常眼圧緑内障
,
血管新生緑内障
,
危険因子
Keyword:
睡眠時無呼吸症候群
,
開放隅角緑内障
,
正常眼圧緑内障
,
血管新生緑内障
,
危険因子
pp.581-588
発行日 2017年6月5日
Published Date 2017/6/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000000052
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現在,緑内障はわが国における中途失明の主因となっている。高齢化に伴い今後さらに緑内障による失明は増加することが懸念される。また緑内障の病態には眼圧のみならず多因子が関与していることは既知である。緑内障に関連する全身因子として,動脈硬化性疾患である高血圧症,糖尿病やメタボリック症候群などが知られているがこれらの疾患の上流には睡眠時無呼吸症候群(sleepapnea syndrome:SAS)という疾患概念が存在する。眼科領域ではあまりなじみのない疾患であるが,近年循環器領域においては心・脳血管病の危険因子として注目されている疾患概念である。我々は緑内障を含む網膜神経・血管病についてSAS は影響因子になり得ると考え,かねてよりこのSAS が関連するさまざまな眼疾患について臨床研究を行ってきた。本稿では【睡眠時無呼吸症候群と緑内障】について原発開放隅角緑内障(広義)と続発性緑内障の代表である糖尿病網膜症に起因する血管新生緑内障の観点から自験例を含めて概説する。
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