症例
陰嚢部汗孔癌の1例
中村 由紀
1
,
福島 彩乃
,
藤尾 由美
,
木花 いづみ
1平塚市民病院 皮膚科
キーワード:
Carcinoembryonic Antigen
,
汗腺腫瘍
,
陰嚢腫瘍
,
皮膚鏡検査
,
エクリン汗孔癌
Keyword:
Carcinoembryonic Antigen
,
Sweat Gland Neoplasms
,
Dermoscopy
,
Eccrine Porocarcinoma
pp.633-636
発行日 2017年5月1日
Published Date 2017/5/1
DOI https://doi.org/10.18888/J01266.2017237903
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88歳男。陰嚢部の皮膚腫瘤を主訴とした。1年前に右陰嚢に自覚症状を伴わない結節性病変が出現し、増大傾向のため受診した。初診時、右陰嚢に70×45mm大で紅色広基有茎性の腫瘤を認め、表面はびらんを呈し易出血性であった。画像検査では鼠径リンパ節・他臓器転移所見は認めなかった。生検で有棘細胞癌・汗孔癌の鑑別が困難であったため、肉眼的腫瘍辺縁より1cm離して肉様膜を一部含めて切除した。病理組織検査では、poroid cell類似細胞の増殖、小型腺腔構造、特殊染色でCEA陽性を認めたことから汗孔癌と診断した。術後2ヵ月まで再発は認めなかったが、その後は老衰により通院不可能となり経過は不明である。
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