症例
北海道十勝地区の1診療所における梅毒の実態 8ヵ月間の短期間に経験した6例
高橋 英俊
1
,
佐藤 克彦
,
高木 章好
1高木皮膚科診療所
キーワード:
Amoxicillin
,
陰茎疾患
,
経口投与
,
梅毒
,
梅毒血清反応
,
皮膚疾患-手部
,
皮膚疾患-足部
,
十勝地域
Keyword:
Administration, Oral
,
Amoxicillin
,
Foot Dermatoses
,
Hand Dermatoses
,
Penile Diseases
,
Syphilis
,
Syphilis Serodiagnosis
pp.603-608
発行日 2016年4月1日
Published Date 2016/4/1
DOI https://doi.org/10.18888/J01266.2016280966
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症例1、2、3は25歳、20歳、25歳の女性で、体幹、手掌の自覚症状のない紅斑、症例4は22歳の男性で、陰茎部の自覚症状のない中心部潰瘍を伴う結節、症例5は17歳の男性で、顔面、手掌、上肢の自覚症状のない紅斑、症例6は17歳の女性(症例5のパートナー)で、特に皮疹は認めなかった。全例梅毒RPR、TPHA陽性で、症例4は早期顕症梅毒(第2期)、症例1、2、3、5は早期顕症梅毒(第1期)、症例6は無症候性梅毒と診断し、アモキシシリン水和物内服で治療し、治癒または治療中である。これらの症例は2014年4月から11月の8ヵ月間の短期間に北海道十勝地区で発症した。自験6例とも風俗関連従事者や風俗店からの感染ではなく、一般生活者に梅毒患者が徐々に蔓延し、感染機会が増加していることが推定された。近年は梅毒は増加傾向で、特に10歳代後半から20歳代前半の若年者に感染が拡大し梅毒を含む性感染症に対する啓蒙活動の重要性が示唆された。
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