臨床
多発性骨髄腫の診断契機となった初期診断と検査所見 整形外科からの関わり
片江 祐二
1
,
中山 景介
,
松本 康二郎
,
近藤 秀臣
,
西田 茂喜
,
松原 不二夫
1赤池協同医院 整形外科
キーワード:
血液化学分析
,
骨髄腫-多発性
,
整形外科
Keyword:
Blood Chemical Analysis
,
Multiple Myeloma
,
Orthopedic Procedures
pp.1357-1360
発行日 2016年9月1日
Published Date 2016/9/1
DOI https://doi.org/10.18888/J00767.2016404194
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多発性骨髄腫(MM)と診断された54例の初期診断と検査所見について検討した。その結果、院外症例は25例、院内症例は29例であった。初診の診療科は院内症例のうち13例(45%)が整形外科であった。初期診断および検査所見は骨軟部病変が27例(50%)、血液検査異常が21例(39%)であった。骨軟部病変の内訳は脊椎椎体骨折が14例、骨病変・病的骨折が11例、髄外腫瘤2例であった。尚、脊椎椎体骨折14例のうち、男性は6例、閉経前の女性は2例で57%を占めていた。一方、血液検査異常の内訳ではM蛋白血症、抗γグロブリン血症が15例(71%)と最多であった。初診の診療科であった整形外科で、血液検査を施行することで異常を指摘し得たのは25%であった。初診診療科での初診時の血液検査では血清総蛋白は高く、血清アルブミン、アルブミン/グロブリン比は低い傾向にあった。また、初診診療科が整形外科の場合、それ以外の科と比べ、確定診断が有意に遅れていることが明らかとなった。
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