症例
ウイルス重感染により非典型的な経過を呈した2例
横山 宏司
1
,
中田 恵子
,
吉田 晃
1日本赤十字社和歌山医療センター 小児科部
キーワード:
ヒトヘルペスウイルス6型
,
IgM
,
Kaposi水痘様発疹症
,
パルボウイルス科感染症
,
ヒトアデノウイルス感染症
,
ウイルス抗体
,
ブドウ球菌感染症
,
ヒトパルボウイルスB19
,
メチシリン耐性黄色ブドウ球菌
,
重複感染
Keyword:
Adenovirus Infections, Human
,
Antibodies, Viral
,
Immunoglobulin M
,
Kaposi Varicelliform Eruption
,
Parvoviridae Infections
,
Staphylococcal Infections
,
Herpesvirus 6, Human
,
Parvovirus B19, Human
,
Methicillin-Resistant Staphylococcus aureus
,
Coinfection
pp.1711-1715
発行日 2016年12月1日
Published Date 2016/12/1
DOI https://doi.org/10.18888/J00639.2017086369
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症例1:3歳女児。3日間続く発熱・発疹を主訴とした。検査所見で炎症反応の微増、白血球低値を認め、維持輸液のみで経過観察したところ解熱した。血清ヒトヘルペスウイルス6(HHV6)B型IgG抗体価の上昇、末梢血単核球中HHV6B型ウイルス量の増加を認めたことから、HHV6B型初感染と診断した。また、発熱と発疹の同時出現、結膜充血症状からウイルス疾患の可能性を考え解析を行ったところ、咽頭ぬぐい液によるPCR反応でアデノウイルスを検出し、アデノウイルス感染症とHHV6B型感染症の重感染と判断した。症例2:2歳女児。2日間続く発熱・発疹を主訴とした。検査所見で小球性低色素性貧血を認め、網状球は低下を示し、単純ヘルペス抗原は陽性、発疹の擦過培養からMRSAが検出された。また、パルボウイルスB19 IgM抗体、血液パルボウイルスB19-DNA陽性を認め、カポジ水痘様発疹症に二次性の皮膚MRSA感染症を合併し、更にパルボウイルスB19感染症を重感染したと判断した。両症例とも予後は良好であった。
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