発行日 2003年3月1日
Published Date 2003/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2003200431
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33歳男.発熱,関節痛を主訴とした.主訴および白血球減少・血小板減少で発症して骨髄中に血球貪食像を認め,腫瘍壊死因子α(TNF-α)の高値が証明された.臨床症状,一般検査値異常は軽微であったが,パルボウイルスB19だけがIgG抗体,IgM抗体ともに陽性で,PCR法でパルボウイルスB19DNAも検出された.以上よりパルボウイルスB19感染症と診断した.マクロファージ活性化を反映する血球貪食像と,TNF-αを初めとする高サイトカイン血症は血球貪食症候群やマクロファージ活性化症候群における特徴的な所見であるが,本例では軽症であり特異的な治療を必要としなかった.本例のような軽症例もあることから,高サイトカイン血症によるマクロファージ活性化の病態形成は程度の差はあるが日常的に生じていると推察された
©Nankodo Co., Ltd., 2003