臨床経験
40歳以上に術後薬物療法は必要か 当科で施行した288例の後方視的検討
山中 章義
1
,
海老沢 桂子
,
羽田 智則
,
太田 啓明
,
安藤 正明
1滋賀医科大学 産科学婦人科学講座
キーワード:
危険因子
,
再発
,
子宮内膜症
,
術後管理
,
腹腔鏡法
,
腹痛
,
卵巣嚢胞
,
骨盤痛
,
後向き研究
,
年齢因子
,
比例ハザードモデル
,
Dienogest
,
子宮内膜嚢胞
Keyword:
Age Factors
,
Endometriosis
,
Laparoscopy
,
Ovarian Cysts
,
Recurrence
,
Postoperative Care
,
Retrospective Studies
,
Risk Factors
,
Abdominal Pain
,
Proportional Hazards Models
,
Pelvic Pain
,
Dienogest
pp.1573-1579
発行日 2016年10月1日
Published Date 2016/10/1
DOI https://doi.org/10.18888/J00535.2017031846
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子宮内膜症に対し、40歳以降の術後再発予防に薬物療法が必要かどうかを明らかにすることを目的に、当科(婦人科)で2005年1月~2013年12月に子宮内膜症に対し腹腔鏡下手術を行った40歳以上の288例(平均年齢43.7±2.8歳)を後ろ向きに検討した。その結果、288例のうち28例に術後チョコレート嚢胞を認め、23例でVAS score4点以上の術後痛が出現した。また、術後にチョコレート嚢胞が出現するリスクとして、年齢が若いこと、rASRM(Revised American Society for Reproductive Medicine) scoreが高いこと、嚢胞が両側であること、付属器切除は行わずに嚢腫摘出のみで行った場合、が明らかになった。痛みの出現リスクは、年齢が若いこと、DIE(Deep Infiltrating Endometriosis:深部子宮内膜症)が存在すること、であった。これらの因子を有する患者は、40歳以降であっても再発予防のため薬物療法を考慮する必要があると考えられた。
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